SHOEBILL – ototake model
prosthetic leg
- sony CSLの開発するロボット義足「SHOEBILL]を乙武氏の両足に装着できるようにカスタマイズしたものです。
- パラリンピックが近づき義足自体を目にする機会は増えてきてはいるものの、まだまだ義足を使って歩くということが難しい人々は多いのが現状です。
- そこで乙武さんには、義足をつけて歩くには最も難易度が高い具体的な対象として協力していただいています。両手両足がない方が膝機構付きのロボット義足をつけて歩くのは世界でも今まで見たことがない非常にハードルの高いチャレンジです。
- このプロジェクトで乙武さんの努力と、最新義足のテクノロジーを掛け合わせた結果歩くことができれば、子供たちが未来にもっとワクワクできたり、多くの方が希望を持ってくれるはずです。
- デザインに関しては乙武さんは普段両足がない状態で生活しているため基本的に直立姿勢になることはなく、常に座位の状態です。そのため義足をつけて立ち上がろうとしたときには前傾姿勢になってしまいます(長く椅子に座る作業をする人が慢性的に腰が反っている状態になってしまうと似ています)
- そうすると重心位置が前になって前方へ倒れやすくなるため、膝付きの義足の場合膝折れ(膝カックン)が起きやすくなってしまいます。また両手がない乙武さんは受け身をとることも難しいので安全性を考慮し膝折れが起きにくいよう膝の回転軸は普通の人の立位と比べて後ろ側につけています。
- 膝が後ろ側になるということは見た目は人の体とは少し違う足になってしまいます(それはそれで草食動物の足みたいになってかっこいいんですが)
- しかし今回は人の足のシルエットを大事にしたいと考えていました。
- それは乙武さんが今までなかった足を手に入れて、今後は長ズボンを履いたり、好きなスニーカーを選ぶなんていう当たり前に私たちがやっている日常ができるようになるということは、義足を使って「歩く」ということと同じくらい大事なことだと思っているからです。
- これは私が義手をやっていたころから、すべての「モノ」のデザインに対して変わらず大事だと考えていることの一つですが、義肢や生活に使う「モノ」はあくまで道具で、大事なのはそれを使うことで日常をもっといい状態にすることができるということです。義足で言えばこの義足を使うことで日常をもっと楽しく(もっと言えば健常者よりも楽しく!)できるということです。
- この義足はシルエットを人の体に近づけるため、従来ふくらはぎ部分にあったバッテリーをスネ側にレイアウト変更しました。できるだけ全体のシルエットは前に移動させ、膝の回転中心もぱっと見で前側に見えるようにデザインしています。そうすることで膝が後ろ側にある不自然さを解消し人のシルエットに近づけています。
- シルエットを人の足に似せているだけではなく、健常者にはできない自分の足の外装を簡単に取り外しができて外装のカスタムができるようにしていたり、装着するだけで美しいラインの足が手に入ったり、使う人がワクワクできる「モノ」として魅力的なデザインになるよう心がけています。将来的には乙武さんが今163㎝の伸長を暫定で設定していますが習熟度が上がれば身長を伸ばしていくことだって可能です。
- これから乙武さんが歩くことがどんどんうまくなっていってこれからの未来の一つの形を示してくれればと願っています。
- sony CSL
- Hirotada Ototake
- Atsuo Okino
- Noriyoshi Takeshima
- Yusuke Kamata
- Koichi Kitamura